片麻痺ってどんな病気? 発症の原因や予防策も知りたい!

片麻痺ってどんな病気? 発症の原因や予防策も知りたい!

片麻痺ってどんな病気? 発症の原因や予防策も知りたい!

片麻痺とは、「へんまひ」または「かたまひ」と読み、左右半身麻痺が残る「半身不随の状態」のことを言います。体の片側(右か左かどちらかの半身)で麻痺が発生し、通常は麻痺側の手足がしびれ、痛みなどを伴います。他にも、頭痛、物忘れ、認知症、失禁、半身に力が入らない、歩行障害、などの症状を呈することがあります。脳右側の片麻痺の場合は「失認」、左側は「失語」という後遺症が残ることがあります。ただし、早期発見ときちんとリハビリや治療を行えば治る疾患なので、むやみに心配する必要はありません。

片麻痺は、脳梗塞の発症後に特に多く見られる症状です。くも膜下出血の後にも片麻痺が現れることがありますが、前触れもなく発症した場合は、まず脳出血や脳梗塞を疑ってください。 片麻痺の予防策としては、まず脳梗塞にならないように生活面で気を付けることです。普段から適度な運動を取り入れ、アルコールの飲みすぎや食生活を見直しましょう。具体的には、塩分の摂り過ぎ・喫煙・暴飲暴食などの生活習慣を改善することが重要です。

片麻痺で損なわれた機能回復のためのリハビリ「歩行訓練」

片麻痺の方は、日常生活動作や歩行などが以前より難しくなることがあります。「足首がおかしくなってうまく歩けない」という悩みを抱える方は、理学療法士の指導の下、バーを使って歩行訓練をはじめるのもおすすめです。歩行訓練は麻痺側の足裏にポイントがあります。片麻痺の方は、足の裏で地面に接地することが困難なため十分に体重が乗せられず、うまく歩くことができないのです。しかし、伸筋群が働くようになればバランスが取れ、歩行も改善されていきます。

まずは手すりにつかまり、健側の足を前に出して床を踏みしめましょう。「かかと→真ん中→爪先」と体重を移行して、足裏全体にまんべんなく感じることができたら、麻痺側の足を一歩前に踏み出し、足裏のどのあたりに力が入っているかを確認してください。麻痺側の足を前に出した状態で体重を移動させることを意識して、今度は健側の足を踏み出したとき足幅が広くなっているのがわかったら成功です。ゆっくりと続けて歩行訓練してください。脳卒中を患い、片麻痺を発症したまま10年が経過したような方でも、リハビリを繰り返すことによって、体のねじれが治り、歩行スピードも改善されていきます。

片麻痺の指のリハビリ「お茶碗を持つために手首を返す運動」

片麻痺の方には「指が動かない」という悩みは多く、実はこれが生活をしていく中で一番支障が出る症状かもしれまん。麻痺側の手を握ろうにも握れないというのは、脳からの指令がうまく手に伝わらないことにあります。少しでも指が動いてるという方は、脳からの指令は届いているということなので改善の余地は高いです。

ここからは片麻痺の指のリハビリに効果のある「お茶碗を持つために手首を返す運動」をお伝えします。この運動のポイントは、手首を支えながら返すときに麻痺側に体が傾かないように気を付けることです。手を置く位置を膝ではなく体に近い太ももの位置に変えると効果があがります。手首のところに意識を集中し、健側の手で押さえて返すという訓練を繰り返しましょう。また、普段からできる手のリハビリとして、テーブルの前に座るときは、片麻痺の側の手を健側の手で持ち上げ、テーブルの上に乗せてください。だらんと下に下げておかないで普段から「麻痺側の手に意識を向ける」だけでリハビリ効果が高まります。

今回ご紹介したような運動は、早い段階で治療すればそれだけリハビリ効果は高くなりますが、あきらめずに続ければだんだんと改善されていくはずです。麻痺した半身を動かすような訓練は大変でしょうが、その先の豊かな生活を思い描きながら訓練をしてください。